フォーカス




フォーカス

ウィル・スミスの映画は積極的には観に行かないのですが(MIBは好きだけど)、コン・ムービーだよと言われるとどうしても期待してしまいます。たまにしか製作されないし。プロの詐欺集団のボス、ニッキーを演じるウィルたま、ちょっとやつれ気味?年とった?この映画は詐欺のテクニック披露の他に、美人スリのジェスとの恋模様が濃いので、老け感匂わせるウィルだとちょっとキツい。肝心のギミックのほうは、途中の小ネタの方には多少ハラハラさせられるものの、終盤の大ネタにどうしても乗れず、というか、あり得ない感が絶対拭えないでしょ。こんなんでひいちゃうの?システム転売のからくりもわかりにくいし、消化不良!とはいうものの、流れるようなカメラワーク、ファッショナブルなお衣装にロケーション、ラストでガッカリするまではそこそこ楽しめました。恋愛要素強めなので、主人公がもーっと色気のある俳優だったらなあ。とはいえ、大好きなロドリゴ・サントロくんの相変わらずのパーフェクトな美しさも見られたし、やっぱりコン・ムービーは総じて楽しい。いつか「スティング」を超えるサプライズをもらえる日まで観続けます。

★★☆

2015-25
スポンサーサイト

セッション




セッション

もしかしたら結末予想できるかも、なので、未見の方はご注意を。

ラスト10分間のカタルシス!2回観ましたが、2回とも震えました。「スクール・オブ・ロック」のラストのコンテストシーン以来です。ドラマーが大好きなので、冒頭のニーマンくんの練習のシーンから持ってかれたのですが、J・K・シモンズ演じるフレッチャー先生のケレン味ときたらどうでしょう。あの頭にあのハット、あの体にあのピタピタシャツにジャケット、存在そのものがすでに普通じゃないです。加えてコンダクト姿がキレ過ぎです。ニーマンくんを演じたマイルス・テラーも素晴らしい。あんな普通感なかなか出せないし、ドラムも巧いぞ。スタジオバンドのレッスンにもワクワク。光るホーン、チューニング、楽器を操る指先や息を吹き込む口元、演奏開始と同時に張り詰める空気、何もかもが魅惑的。「Whiplash」「Caravan」名曲。物語は進み、加速するフレッチャー先生のスパルタ、粉々にされるニーマンくんのプライド。正直もっともっと妄執的にいじめられ続ける、ある意味カルト的な作品なのかと思ってたら、意外と想定内。もちろん全編緊張に満ちてはいるし、驚きのエピソードも多々あるのですが、もっともっと欲しかったと思う私はスポ根漫画の読みすぎか?ドラム3人が交代で延々しごかれるシークエンスは見応えがありました。元コア・ドラマーのカールくんの神経質な感じが好きです、演奏スタイルも含め。そして訪れるニーマンくんのさらなる挫折と、ラストの「男の抗争」。フレッチャー先生は最初からそのつもりだったのか?リハしなかったのか?ニーマン!とかいろいろ疑問や突込みどころはあるものの・・・カメラワーク、J・K・シモンズの演技、マイルス・テラーの魂の演奏、すべてはこの10分のためにあったのかと、震えながら、うなづきながら、涙する私。いろいろどうでもいいや!もう1回観たいぞ、ラスト10分。でもって、楽譜隠したの、絶対に先生だよね?

★★★★☆

2015-24

『ART』




『ART』2015年5月2日
サンシャイン劇場

私の観劇の師匠に超良席を確保していただき、大好きな市村正親さんの舞台を観に行きました。彼のミュージカルはどれだけ観たかわかりませんが、今回の舞台は本当に久々のストレートプレイ、果たして還暦を超えた市村さんの、歌も踊りもない演技をどう受け止めることになるのか、限りなく楽しみでした。この「ART」は市村さんのほかに、平田満さん、益岡徹さんのみの3人芝居。フランスの劇作家、ヤスミナ・レザの作品で3人の男の友情や人生の機微を描いたコメディ。コメディとは言えども、シニカルな人間批判の漂う長台詞の応酬、言葉そのものではなく、成熟した大人のみが理解できる微妙な人間関係の軋みやずれを役者の力量で笑いに持っていきます。台詞回し、間合い、アクションでそこはかとない可笑しみが湧くのです。市村さんのコメディセンスが光ります。明らかに彼が舞台を引っぱっています。ファンの欲目か、いや違う。歌もダンスもないからこそ、役者として男としての市村さんの姿が浮かび上がり、魅了されるのです。もちろん、益岡さん、平田さんも生粋の舞台人、それぞれの役割をきっちりとこなされています。平田さんの5分に渡る長台詞は見事なもので大喝采。16年ぶりのオリジナルキャストでの再演。白い絵、無機質なセット、3人の立ち姿。いろいろなかたちの演劇があるということ、それをみるという喜びを新たにした1時間30分でした。

龍三と7人の子分たち




龍三と7人の子分たち

平均年齢高めの劇場内は終始笑いが絶えず和やかムード。北野監督の毒はかなり控えめ、ライトなコメディ。王道で昭和なネタばかりなんだけど、素直に笑えてしまう。おじいちゃんたちが真面目に話してるだけでも面白いのに、やくざネタがまた楽しいし、せりふ回しや間の取り方が絶妙な俳優陣なのでずっと笑いが途切れない。藤竜也は歳を重ねても違う渋さが増してかっこいい。こういう大げさな芝居もできるんだな。龍子にもなっちゃうし。昔から大好きな近藤正臣がまた素敵。全然枯れてる感がなくて色気がある、今でも。タバコをくゆらす姿が渋い。惚れ直しました。品川徹のよいよい感がまた最高で、RIKIYAとの掛け合いはツボ。そして中尾彬、こんな小者な役でもさらっと演じる上手さ。終盤の彼の扱いはかなりうける。京浜連合の皆さんや他のキャストも適役。セスナのくだりとか間延びした部分もあり少し長かかったかな。カメラワークなど北野テイストもなくはないけれど、私的には「釣りバカ日誌」と同じカテゴリ、こういうゆるっとしたコメディは本当に大好き。

★★★

2015-23

海にかかる霧




海にかかる霧

何?この異様なまでのリアルさは。むせ返るような匂いがまだ離れない。また凄いものを観てしまったという満足感と虚脱感。物語も俳優もロケーションもすべてが、たった今観てきたかのようにくっきりと頭に残っている。実話をもとにした舞台劇の映画化だという。不況で自分の船を維持することが難しくなった船長は、ついに違法である中国人の密航を引き受ける。天候や様々なタイミングの悪さが重なり、ある大変な事件が船内で起きてしまう。想像もつかない窮地に陥った時、人はどんな風に狂気に走るのか、そうなってしまう人たちとそうでない人たちとの違いは何なのか。倫理が崩壊する瞬間に背筋が寒くなる。「彼ら」は助かるのか、船はどうなるのか、もの凄い圧迫感。何とか生き延びてほしいと必死で願う。目を覆いたいのに目が離せない、韓国映画の醍醐味だ。クライマックスの船長の姿を見ているだけで泣けてくる。ああ、なんて役者なんだろう。キム・ユンソク。また彼を見たい。ドンシクを演じたユチョンも凄まじい。元アイドルだろうと何だろうと捨て身なのだ。貧しい市井の人々の業を描ききった脚本が素晴らしい。さすが、「殺人の追憶」のスタッフ。

★★★★

2015-23

バードマン あるいは(無知がもたらす 予期せぬ奇跡)




バードマン あるいは(無知がもたらす 予期せぬ奇跡)

混沌としたショウビズ界や劇場の裏側を、個性溢れる演技陣、恐ろしいまでに独特なカメラワーク、心を盛り立てる素晴らしい音楽でみせてくれるパッション全開な作品。お芝居好きにはたまらないひとつの舞台が出来上がるまでの工程や、役者の葛藤の凄まじさがリアル。その一方、主人公リーガンの持つある能力というファンタジーな部分と彼の想像の部分との混在を、私的に物語としてまとめるのが難しくしっくりと収めることができなかったのも確か。経過する日にちの咀嚼がうまく出来なかったせいもある。マイケル・キートンは私には存在の大きな俳優で、「パシフィック・ハイツ」「マイライフ」「絶対絶命」のストイックな彼が大好き。もちろんこの作品でも鬼気迫る演技。加えてエドワード・ノートンのいつもの怪演、ナオミ・ワッツ、エマ・ストーン、リンゼイ・ダンカンの存在感も素晴らしい。ゆえにそんな役者たちがさらっと凌ぎを削り合うひとつひとつのシークエンスは見ごたえ充分で心に残る。ブロードウェイ界隈の熱気、劇場の雰囲気は本当に素敵。

★★★☆

2015-22

Pagination

Utility

Profile

ジル

Author:ジル
ジルです。
8年前から続けていた日記を引越し。
2011年からの記事をこちらに
移動しました。
映画や舞台やドラマを観ることが
大好きです。
プロフィールの写真は、
大好きなヒッチコックの映画
「フレンジー」のキャラクター、
モニカ女史。
めがねがクールです!