
2月の終わり、うるう日に雪が降りました。
みぞれと聞いていたのにしっかり積もり、街が真っ白になりました。
私の周りでは転倒者も続出、もちろん電車もバスも遅れ、
わかっていても雪はちょっとした事件です。
今週は、金曜日にも大きく電車が遅れたりして、妙に疲れた日々でした。
2月は久々に週1のペースで本を読むことができたので、その備忘録を。
「虚無」薬丸岳・・・
娘を通り魔に殺された元作家三上。
犯人は心神喪失で罪に問われず病院に収監されるが、
数年後元妻から「犯人を街で見かけた」という連絡を受け、
また三上は事件に引き戻される。
面白さ★★★☆
「悪党」薬丸岳・・・
犯罪加害者の出所後の追跡調査を受ける探偵事務所に勤める佐伯は、
元刑事にして自らも姉を不良グループに殺害された過去を持つ。
依頼者からの調査を進めるとともに、佐伯もまた姉の死の犯人たちの足取りを追う。
面白さ★★★☆
薬丸さんの作品は「天使のナイフ」も含め、
どれも被害者遺族の心の葛藤をベースに、
反省なき加害者への怒りを掻き立てられ、
いつの間にかエキサイトしてしまう。
とても読みやすい構成でどんどんページが進み、
2冊ともあっという間に読了。
「乱反射」貫井徳郎・・・
不幸な事故にしか見えなかったある幼児の死。
実はその町に住むたくさんの人々の小さなエゴが積み重なって、
起きるべくして起きた「殺人」だった。
面白さ★★★★
たくさんの登場人物の背景や心情が細かく描写されており、
それらの人々の弱さや身勝手さにイライラさせられる。
エピソードがどうやって「死」に繋がるのか、
またどうやって露見するのか、早くたどり着きたくてどんどん読み進めてしまう。
こんな「連鎖」を考えついてまとめてしまう貫井さんはやっぱりすごい。
「虚貌 上・下」雫井脩介・・・
21年前の一家惨殺事件の加害者たちが、
主犯格の男の出所後に次々と殺されていく。
一連の事件を調べるガンに侵された老刑事が、
絶対にありえない「真実」に迫る。
面白さ★★★☆
この「トリック」を許せるかどうかは人それぞれ。
私にとってはとんでもなく面白いクライム・サスペンスだった。
悪の塊のような犯人グループの人物描写が凄い。
人の心の中の醜悪な部分をこれでもかと見せつける。
「火の粉」よりも先に書かれた作品で、
「犯人に告ぐ」のケレンを十分に予感させる、まさに怪作。
「翳りゆく夏」赤井三尋・・・
20年前の誘拐事件の犯人の実娘が新聞社に内定、
それをきっかけに記者・梶が事件の真相を再度洗いなおす。
現れた驚愕の真実とは。
面白さ★★★★
これは本当に読み応えがあった上に面白く、
真相も私的にはかなりのサプライズ。
甘い部分も多々あるけれど、
とにかく読んでいるときは夢中になってしまった。
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それにしても偏った趣味、
ちょっと恥ずかしくなるくらい犯罪小説ばかり。
前世に何かあったのでしょうか?
今読んでいるのが永瀬隼介さんの
「閃光」、
めっちゃ面白いです。