The Witch 魔女

The Witch 魔女」韓国、2018年、パク・フンジョン監督

こちらもWOWOWの韓国サスペンス特集を録画したもの。
公開当時もとても気になってましたが、観に行けなかったので、
割と早く放送してくれて嬉しい!

サスペンスだけじゃなくアクションも秀逸。
人工的に造られた"ギフテッド"達のお話で、
もちろん荒唐無稽ではありますが、面白かった!
こういうストーリー大好きです。
何とな~く感づいていたものの、
真実が明らかになり、今までのことが腑に落ちる瞬間はカタルシス。
そうだよね~、この子ってそうだもんね~、と膝ポン。
「XMEN」「LUCY」「KILL BILL」「Heroes」...
既視感ありますが、好きな展開なので全然OK。
嵐の前の静けさ、ヒロイン・ジャユンの日常が描かれ、
それが牧歌的であればあるほど、
その後にわかる周到な計画が際立つのです。
わかってみれば、ジャユンがあの家にいる意味、
親友がなぜあの娘だったのか、
あのシーンの育ての父の表情の真意、
ふえ~、そういうことか。

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ヒロインの周囲の何も知らない善良な人々、
この人達、殺されちゃう!
今かな?ドキドキ、あれ大丈夫…みたいのが続いて、
意外と死者も少なく、
ホッとする場面が多いのも恐がりにはちょうどよい感じ。
なんでジャユンは今まで見つからなかったのか、
コ院長一家惨殺事件、
パク・ヒスン演じるミスター・チェなる刺客とか、
ギフテッドを造った「本社」の真実等々、
突っこみどころ、説明不足も多々あり、
消化不良ではありますが、
Part.1だからか、と納得させます。
とにかくキャストの素晴らしさを語らずにはいられません。
ヒロイン ジャユンを演じたキム・ダミちゃん、
韓国にはまだこんな逸材がいたのね・・・
表情なんて、この映画の意図をすっかりわかってる。
歌上手すぎ。
前半と後半の演じ分け、
特に後半の、覚醒後の彼女は既に完成された女優でしかないです。
オーディションで選ばれたなんて思えない。
貴公子ことチェ・ウシクの美貌と演技のバランスも忘れられない。
このルックスでこれだけやれる人材を抱える韓国映画界の未来は明る過ぎます。
そして、チョ・ミンス演じる大御所マダムは、
オリジナルなただならないヒール感がたまりません。
パク・ヒスンもいつも以上にクールでしたし、
目に見える要素と、第一段階の謎解きの満足感はクリアでしたので、
本当にPart.2が待ち遠しい。


私の満足度 85点
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3月から4月に観た映画

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すっかり記録をさぼっていましたが、
忘れないようにちょっとだけ感想。

「スリー・ビルボード」
まごうことなき傑作。
ここ数年でも一番の完成度、残念に思える部分がなかった。
様々な人物とモチーフが今でもよみがえる。
表裏一体、人は変われる。

「ビガイルド」

クリント・イーストウッド版とはだいぶ違って、美しくて健気で残酷。
退屈なシーンも多々あれど、霞みがかった絵画のような情景と女だけの寄宿舎にはやはり心惹かれました。

「15時17分、パリ行き」

なんでこの手法?と、非難の声も聞こえて来ますが、私は楽しめたな。
男の子達の成長の過程と、事件絡む必然性に納得。
旅のシークエンスは確かに長いけど、それ故にサスペンスの部分が際立って感じられました。

「シェイプ・オブ・ウォーター」

ファンタジーとリアルの見事な融合、どのキャストもその世界にマッチしていたけれど、やはりサリー・ホプキンス演じるヒロインの存在が切なくて、心を寄せずにはいられなかった。
美しくてシュールに彩られた、彼女のコージーな部屋と日々の営みは愛おしくて、忘れられない。
名作。

「去年の冬、きみと別れ」

大好きなサプライズ系サスペンスであることは間違いないし、プロットは悪くないのに、全般的なキャストの薄さでその波に乗れず。
残念、せめてあの役とあの役、他におらんかったんかなあ。

「トレイン・ミッション」

リーアム・ニーソン、お約束の元プロフェッショナルもの。
電車という密室、謎の女からの指示、抜き差しならない状況、タイムリミット、成り行きがわかっていても面白い。
安定です。

「レッド・スパロー」

ジェニファー・ローレンス、体を張ったエロティック・サスペンス。
こういう体当たりなとこが大好きなんです、ジェニファー。
何気に豪華な脇のキャストも素敵。
スパロー養成所のとんでも設定、なんとも怪作でした!好きです。

「バーフバリ 王の凱旋」

古代インドの英雄、三代に渡る王バーフバリの伝説を巨費を投じて映画化。
その後編ですが、前編観てなくても問題なくお話把握できました。
最新CGを駆使してるのにどこか懐しさ残る映像、大河なストーリーと魅惑のファンタジー、外連味溢れるキャスト。
面白いにもほどがあります。
最終的には全然タイプじゃないバーフバリに恋してました。
曇りのない正義と優しさ、半端ないオーラを持つバーフバリは全人類待望の指導者。
荒唐無稽なアクションも見どころ。
インドならではのマテリアル扱い、スケールでか過ぎる嫁姑案件も含め、刮目の娯楽大作です。
機会があればぜひっ!


「ラスト・ワルツ」

1978年、マーティン・スコセッシが演出・監督したザ・バンドの解散ライブドキュメント作品。
大音響リマスター版のリバイバル上映を観た。
テレビでしか観たことがなくうろ覚えなままでいたので、今回しっかり細部まで咀嚼できて嬉しい。
クラプトン、ボブ・ディラン、ジョニ・ミッチェル、ニール・ヤング、マディ・ウォーターズなど歴史的なミュージシャンが入れ替り立ち替り、それぞれの個性とグルーヴがあまりに強烈で、恐ろしいまでに見どころ満載なんだけど、ザ・バンドのフロントマンであるロビー・ロバートソンのかっこよさ、私的にはこれに尽きるんだ。
美貌、俳優といわれてもおかしくないカリスマ、ちょうどいいステージでの熱量、全編出ずっぱりでも全然飽きない。
めっちゃ素敵です。
様々なライブ映像では、観客の高揚が映し出されることで、その場のエモーションを共有することができたりするんだけど、この映画ではそのカットがほぼない。
ステージで繰り広げられるパフォーマンスのみで感情が揺さぶられる。
スコセッシ様がロビーのために撮った、本当の記録映画なんだな。



「グレイテスト・ショーマン」「エターナル」




2月に観た映画 残りパート②

「グレイテスト・ショーマン」

ミュージカル映画は大好きなので、常に期待を持って、受け入れ体制万全で望みます。
ほとんどがストーリー大味で違和感満載だし、史実の美化なんて当たり前、ファンはそんなのは承知の上でその世界に浸るわけですけれど、私の場合何度もリピートする作品の決め手はやっぱり楽曲なんです。
多少お話が破綻してても、暗くても、逆に能天気でも、チープでも、人がたくさん死んでも、琴線に触れる何度でも聴きたい曲が存在すれば可能な限り観てしまいます。
この大人気作品、敬愛するヒューたま主演のオリジナルミュージカルということで、期待値上げすぎたのもあるんですけど、自分好みの曲が残念なことになかったのです。
ヒューの決めポーズから入るオープニングでワクワクして、これはいける!と、その後の幼少期のエピソードも、王道ね!と掴みはOKだったのですが、その後続かなかった。
This is meのキアラ・セトルの熱唱はエキサイティングだったし(特にアカデミー賞でのアクトは圧巻でした)、居場所を見つけたサーカスの仲間たちの喜びには胸が熱くなりました。
バーカウンターや空中ブランコの超絶パフォーマンスも、ゼンデイヤの完璧なプロポーションにもクラクラ、歌姫レベッカ嬢の凛としたステージも素敵だったのですが、ストレート過ぎるメロディラインはどれも残らず。
もっとサーカスの皆の個別のパフォーマンスも観たかった。
細かいことは気にしないと言いつつも、最終的には私自身もバーナムの成功後の行動には反旗を翻してしまいました。
歌姫も勘違いするし、家族は泣くよ、でもってサーカスの皆はどないするねん、と。
個人的には乗り切れなかったのですが、素晴らしいミュージカル作品であることは間違いないと思います。
苦手だった「ミス・サイゴン」も、何度か劇場に通う内にホリックになってしまったという前歴があるので、ある日突然好きになる可能性は大です。
そうなったら嬉しい。

「エターナル」

ビョンホン・ファンの友達に誘われて、「映画史上に残る衝撃のラスト」なるキャッチコピーに不穏なものを感じながらの鑑賞。
勤務する証券会社の破綻の責任を取り辞職、うちひしがれ酒に溺れるビョンホン演じるジェフン。
シドニーで暮らす妻と息子を訪ねますが、彼女と隣家に住む男性との間に親密さを感じた彼は、しばらく離れて様子を見守ることに。
予告の段階で、もしやこれって?と予想しておりましたが、的中でした。
おそらく大多数の観客が途中でそのプロットには気がつくことでしょう。
あの映画やあの映画が思い起こされ、気抜けしてしまうかもしれません。
ですがそうなると、その角度からの鑑賞がなかなか面白い。
様々な伏線、彼の佇まいや行動、町で知り合った韓国女性、犬、とオチを裏付けながら観ていくのです。
わかってしまった落胆よりも、家族のなり行きが気になる上に、丁寧な描写と静謐な画面がとても染みてくる。
名作「イルマーレ」に通じる、私の好きな美しい韓国映画のジャンルでした。
「衝撃」では全然なかったのですが、なかなかに切ない愁いのあるラスト、ビョンホンの抑えた演技も含め、好きな作品となりました。
「Single Rider」という原題もいいな。

「羊の木」「犬猿」




イーストウッドにまたもやられたインフルエンザ明けの夜。
「15時17分 パリ行き」素晴らしかったです!
まるで我が子の成長を見守るかのようにスクリーンに釘付けに。
よそんちの子たちなのに。

2月に観た映画 残り パート①

「羊の木」

同名人気コミックを、映画化にあたって大幅に改変、ほぼ別物に。
政府の極秘プロジェクトにより、過疎に悩む地方の港町に移住してきたのは6人の元受刑者たち、しかも全員殺人犯。
市役所職員月末(つきすえ)は、上司命令で彼らの受入れ担当者となる。
原作読んでいますが、この施策をなぜこの市が受け入れることになったのか、というくだりは映画版ではばっさり割愛され、雑な入り。
月末もしかり、元受刑者杉山も宮腰も年齢や犯罪歴やキャラクターまで変わってます。
錦戸月末の爽やかで実直な佇まいも含め、この背景を以てしても青春が薫る、この監督の持ち味がふんだんに発揮されていました、良くも悪くも。
原作受刑者たちの、滑稽なまでの薄気味悪さや数々の残酷描写は影を潜めていますが、音の使い方や、キャストの上手さで不穏な空気感はそこそこあり、のろろ祭が終わるくらいまでは面白く観られていたように思います。
その後の宮腰を巡るサスペンスが、有りがちな上にラストまで雑になってしまい、残念。
のろろ様を軸に、物語を寓話的に昇華させて違和感なかった原作とは、やはり出来が違うのでした。
過疎の町での受刑者の更正というプロットは興味深いだけに、もう少し違うアプローチが出来なかったのかなあと思うのです。

「犬猿」

きょうだいの確執を扱った映画は多々ありますが、ここまで姉妹兄弟関係のみにスポットを当てたお話はあったかな。
その世界の狭さがとても新鮮。
自分より格段に可愛くて人気者の妹を嫉む姉、粗暴で刑務所帰りの兄を疎む弟、ところが相手はさほど意識しておらず、相変わらず自分に依存してくる。
あっという間にそんな彼らの人となりと関係が描き出され、どんどん悪化する状況。
こんなだったら嫌だなあ、とは思うのですが、設定が極端な上に、浅い内面描写なので誰にも感情移入はできないし、修羅場の規模もさほどではなく。
もうちょっともうちょっと何かが加わると凄く面白くなるのにな、と思いつつ、何気ない台詞にどきっとすることもあったり、見て見ぬふりで我関せずの昭和の親たちにも笑えました。
相変わらず新井浩文が恐くて滑稽で上手いし、窪田くんは普通な役こそ凄味があります。
姉妹二人、素人っぽさは多少残りましたが好演で、ニッチェ江上はたぶんこれからもオファーすごいんじゃないかな。
何より、オープニングのワンシークエンスがなかなか面白かった、そこだけもう一回観たい。

「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」




全米で数館上映から大ヒットで拡大。
アカデミー賞脚本賞候補にまで上り詰めた話題作です。
早々に観ました。
実話を映画化、主人公はご本人。
いろんな角度から、大好きです。
こんな異文化恋愛のパターンもあるんだ。
マジョリティからの差別による拒否ではなく、
マイノリティの信念というより世界観による謝絶。
一般日本人には新鮮な事実。
とてもかわいそうな展開なのですが、
彼女が大病に罹患してからの流れが素晴らしくリアルなのに、
なぜか希望の持てる家族&主人公の行動と繋がりで、
みずみずしい空気感。
同様にキャストもフレッシュで既視感がない。
唯一大御所はホリー・ハンター、
とはいえいつも違う表情を見せてくれる彼女なので、
存在が嬉しい。
濃い外連味溢れる映画ももちろん大好きですが、
こんなかわいい胸のすくようなラブストーリーが、たまには観たいのです。

「blank13」




齋藤工監督作品。
シネフィルとしてのこだわり、人柄、人脈、ユーモア、彼のワールドが見えました。
最近、展開はどうあれ「丁寧な」映画に惹かれてしまう傾向にあるのですが、この作品にもそれを感じました。
実話を基にしているというある家族のお話。
冒頭の葬儀受付のくだりが、松岡茉優ちゃんの佇まいも含め、既によかった。
妙に笑えましたが、あれも実話なんだろうか、気になります。
借金と煙草を置いて姿をくらました父との13年ぶりの再会、残された家族の辛いエピソード、よくある話と思って観ていると、タイトルバック挿入後の後半、あんなにコンパクトな中で、様々撹拌されるとは思ってなかったので新鮮で、冒頭の掴みの部分が笑いだけではなく、しっかりと伏線だったことにもドキリとしました。
葬儀ものは伊丹作品の「お葬式」以来、どうしても既視感を持ってしまうのですが、やはり面白いのです。
主演の高橋一生くんは、この役彼のためにあるな、というくらい瞬きさえもしっくりうまく演じていて、リリーさんはいつものありのまま感。
神野三鈴さんを母親に据えたのも説得力があり、事故からの腫れ上がった顔に化粧をして夜の仕事に出かけるシークエンスは強烈。
夫の去就に関する彼女の気持ちは説明もなく、画面から推し量るしかない、それが通用する女優さんです。
監督ご本人が演じた兄の役、少ない台詞と出番がこの物語の肝になっているように思え、一番残っています。
ほぼアドリブだという弔辞のくだり、完全に狙ってのことだと受けとって、あざとさも楽しみました。
取立て人の参列、これも実話なのかまた気になります。
ある意味豪華な脇のキャスティングは見どころとも言えるのですが、そこに残るひっかかりを排除した形でまた次の作品を観たいなと思うし、ポテンシャルこんなものではないなと信じられるので、次にも大きな期待をしてしまいます。

パディントン2

20111012


「パディントン2」

絵本以上に絵本のようなパディントン・ワールド、その視覚的なときめきももちろんのこと、パディントンの無垢な優しさに憧れる、今さらながら、私も彼のようになりたい。
パディントンの声にベン・ウィショーを充てたブレーンに拍手、絶妙なキャスティング。
前作「パディントン」は、きらめくロンドンとその世界観にやられ、パディントンが家族を得るまでの紆余曲折には何度も涙。
今思い出しても泣けてくるピュアなシーン満載、ヒールなニコール・キッドマンも最高で、忘れられない1本だけど、今度のパディントンも別の素晴らしさがありました。
パディントンが前より微妙に可愛くなってる!
これポイント高いです。
ウィンザーガーデンの街、飛び出す絵本、移動遊園地、ブリリアントな美術もグレードアップ、ブラウン夫人のお洋服も含め、何もかもがかわいい。
「外から来た誰か」によって人々が変わる物語はいつ観ても好き。
彼の隣人愛や優しさもそのままで、周囲にもたらす影響力はますますもって。
前作に続き、ブラウンさんがやはり一番人間らしく怪訝だしあれこれ悩んでいるのに、結局はパディントンの最強の味方になる&お笑い担当という構図も鉄板。
刑務所のマーマレード作りのとことか、ちょっと長いなと思うシークエンスもいくつかあったけど、クライマックスの列車アクションとか、新しい風も。
ヒュー・グラント演じる落ち目の俳優の尼僧コスプレが今回一番笑ったとこなんだけど、「他の俳優に潰されるから、誰とも一緒に仕事をしない」という彼の孤独が切なくて、だから最後はほっとしました。
そういえば、前作のニコール演じるミリセントも一人ぼっちだった。
久しぶりにルーシーおばさんに会えてよかったね、パディントン。

「嘘八百」「祈りの幕が下りる時」



1月はTohoシネマズのマイルがたまって、1ヶ月間使えるフリーパスがもらえたので、せっせと使いました。
6本無料で観られたのでかなり得した気分。
6ポイントで1本無料というサービスは結構あると思うのですが、それにプラスして観た時間でマイルがたまり、特典に交換できるのTohoシネマズの嬉しいところ。
ミニシアター系も割と上映してくれるので重宝しています。
以下の2本もその恩恵で鑑賞。

「嘘八百」

ちょっと珍しい骨董コン・ムービー。
「百円の恋」の監督さんだというので期待。
中井貴一さんが小狡い骨董商小池、佐々木蔵之介さんが贋作陶芸家野田に扮し、贋作利休の茶器を高値で落札させようと画策します。
序盤、二人の出会いでもあるお蔵のお宝発掘の下りが面白く、何でも鑑定団的にワクワクしました。
骨董のうんちくを映画の中で聞くのも楽しい。
ここでの蔵之介さんが、何だか飄々とした佇まいで素敵、やはり色気のある俳優さんです。
小池には仕事のアシスタントである娘いまり、野田には引きこもりの息子誠治がいるのですが、その二人の交流がさりげなく描かれ、お互いに屈折した家庭に育った者同士のシンパシー、あざとい大人たちの中での二人は瑞々しく、とても可愛らしい。
達観した中にも優しさを醸し出すいまりを演じた森川葵ちゃん、本当にいろんな顔を見せてくれるので、「渇き。」から先、大好きな女優さん。
この作品で一番心に残ったのが彼女の存在感。
他にも、久しぶりに見たけど変わらない芦屋小雁さん、大好きな近藤正臣さん、安定の友近など、脇も地味に充実しています。
後半の利休の茶器の競りと顛末、もっと盛り上がるかと思いましたが、こじんまりした作りとなっていて私的にはトーンダウンしました。
ここは物語の胆なので、も少しエキサイティングであってほしかった。
最後にもうひと山仕掛けがあり、それはそれで嬉しかったのですが、もっとコンパクトに詰めてもよかったかなとも思います。
全体的に中盤から終盤にかけては緩んだ印象がありますが、良作です。
コン・ムービーは大好きなのでもっとたくさん観たいのです。

「祈りの幕が下りる時」

ドラマ「新参者」シリーズは丁寧な作りで好きですし、日本橋界隈には憧れがあるのですが、映画「麒麟の翼」がアレだったので、期待をせずに臨みました。
葛飾のアパートで滋賀在住の中年女性が変死体となって発見され、部屋の住人は行方不明。
滋賀と東京での懸命の捜査が行われる。
序盤のこのくだりでちょいちょい挟み込まれるテロップによる捜査状況の説明、もしや二サスの風がここにも?とハラハラしましたが、阿部ちゃん演じる加賀がメインになってくるとテロップは影を潜める。
じゃ、一時だけのテロップ攻撃は何だったんだ?とモヤモヤ、嫌な予感は募ります。
加賀の母の過去と同時に描かれる滋賀での出来事、徐々に明らかになる悲しい家族の秘密。
私とて鬼ではないので、観ている間は桜田ひよりちゃんと小日向さんの父娘の絆には泣きました。
二人ともうまいですし。
しかしここらへんから本格的にニサスの影。
本当に原作通りなのかと疑いたくなる有りがちな展開に涙も引いてしまいました。
ロケのスケールもなかなかだったし、明治座全面協力で松嶋さんも迫力の佇まいだったのですが、どうしても拭えない安さは危惧通り。
やはり、「相棒」同様、映画になると途端につまらなくなるドラマシリーズが多すぎます。
そこんとこ、どうかひとつ。

スリー・ビルボード




愛と憎しみ、信念と差別。
表裏一体。
人は変われる。
素晴らしいサスペンスとドラマでした。

午前十時の映画祭「バグダッド・カフェ」




午前十時の映画祭にて、最愛の映画「バグダッド・カフェ」を久しぶりにスクリーンで観てきました。
1989年の公開時、今は無きシネマライズで初めて出会い、衝撃を受けたのが昨日のことのよう。
寂れた場所に集まった孤独な人々の交流と再生、私の大好きなモチーフ、加えてこの映画には希望しかありません。
何度観ても同じところで泣いて笑ってこみあげるのですが、当初はおばさんとして捉えていたヤスミンが観返すたびに艶やかで美しく見えること、ブレンダの足がとても細くてお洋服のテキスタイルが鮮やかなこと、サロモのピアノ演奏の恍惚の表情など、毎回新しいときめきも。
やっぱりこれは私の生涯の一本だなあ、と今日も感慨を新たにしました。
素晴らしい映画を観た日は、何だか自分も少し変われたような気がするのです。

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ジル

Author:ジル
ジルです。
8年前から続けていた日記を引越し。
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