哭声 コクソン





私が一番韓国映画を観ていた頃のベストタイトル、「殺人の追憶」を思い出させるようなイントロダクションから、ソン・ガンホを越えるクァク・ドウォンの市井の趣き、勝手にローカル猟奇殺人の展開を思い描いていたら、物語はどんどん予期せぬ方向へ。
圧倒的な土着感、リアルな血の匂い、次から次へと現れる怪しい輩。
キャストが全員素晴らしくて、画も凄まじく、まったく退屈せず観ていられたのだけれど、オカルト系で間違いないんだな、と確信してからは少しずつ気持ちが離れていった。
とはいえ、ファン・ジョンミンの祈祷と嘔吐シーンを見られただけでも価値があったんだ。
残念だったのは、いろんな関係性がすっかり紐解かれるとか、あるいは絶望でもいいんだけど、大きなカタルシスを得られなかったこと。
あんなにやってくれた國村さんが、私にはまったく怖くなかったのは、「キル・ビル」の生首のほうがインパクトあって、ドラマ「沈まぬ太陽」の社長役のほうが本物の人でなしだったからだと思う。

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パッセンジャー




好きなジェニファー・ローレンスでSFだし、泣けるエンターテイメントなんだろうなあ、と気軽に観ました。確かに気軽に観ていいカテゴリーなんだけど、怖い怖い。ないない。
誰かと、あなたならどうする?って語りたいけど、どうしてもばれてしまうから、これから観る予定のある方は、ぜひ観賞後お話しさせてください。
ばれてますけど、感想、下に。

素晴らしきかな、人生




「素晴らしきかな、人生」

ワーキング・タイトル風のこのポスターに騙された~。
万人がちょっとビターな気持ちになるんだけど、そこはかとなく癒され、結果ハッピーを抱えられる例のテイストかと思ったら、あーそう来るか。
微塵も関わりない世界に生きてたら辛気くさいけどね、少しでもウィル・スミスの心情に寄り添えるなら、そりゃそうなるよねと納得いくのです。
私とてそうなります、
だがしかし、ラストのサプライズは、私は想像だにしませんでした。
クリスマス前の冬のニューヨーク、エドワード・ノートン、ヘレン・ミレン、見所はいっぱいです。
なんで、この時期の公開?そしてこのタイトル?
幾度となく呟いたこのひとり言、これ観た後にもまた呟いた。
いろいろあるんだろうけど。

お嬢さん



原作はサラ・ウォーターズの「荊の城」。
ああ、これをパク・チャヌクが映画にするならこうなのか。
私はこれをハリウッド製作で観たかったな。
「シークレット・ガーデン」を観たから、彼は充分にできたと思う。
でも、やっぱり韓国で日本テイストをまじえて撮ったのにはいろいろあったんだと思う。
実際、あの女優さんたちでないとあそこまでチャヌク氏の求めるものは無理だったと思う。
そのくらいあの2人はやりきっていた。
キム・ミニなどはそんなにしなくてもしっかり立ち位置持っていたのに。
35歳の彼女が20代前半に見えた、それは女性としてすごいこと。
エロス、いや、わかる人にはわかる性の経験値や描写がこの映画にはあって、
それをあえて映像とするところに意義を感じた。
人はそいういうのを観てドキリとするのだから。
カリカチュアされたキャラクターをちゃんと演じられる俳優の素晴らしさ。
やっぱり韓国じゃないと無理か、これは。

ラ・ラ・ランド




「ラ・ラ・ランド」

2回目はIMAXで観ましたよ。
めくるめく魅惑のモーメントの連続に、どこでときめいてどこで泣いた?と語らずにはいられませんよね。
クライマックスのあのシークエンスはもちろん特別、
心震えましたよね。
私は、ミアとルームメイトたちがパーティーに繰り出す、からの、プールサイドでのダンスシーンが大好きです。
撮影の角度かな?短いながらも、ミュージカルパートとして新鮮なものを感じました。
こみあげポイントの一番最初はマジックアワーのタップ。
これはもう、シンプルにミュージカルとしての素晴らしさをそこに感じたからにほかなりません。
飛び抜けた歌唱力やダンステクニックがなくても、心に響くミュージカルパートは生まれるんですね、ジャック・ドゥミ作品がそうであるように。
シーンと珠玉の楽曲とのシンクロも見事で、今もワンフレーズ耳によみがえるだけで映像が浮かび、胸がつまります。
観た人それぞれにときめきポイントがあると思いますが、私はライアン・ゴズリングにまたまたやられてしまい、そこから逃れられません。
ラストの切ない微笑みはライアン・スマイルと銘打ちたい。
彼に泣かされたのはこれで何作め?ってくらいなので、今やその名を呟くだけで涙腺スイッチ入ります。
その直向きな演技のスタイルが、溢れんばかりのエマ・ストーンの魅力をさらに盛り立てて、どちらが欠けても成り立たない完璧なカップルに。
この際、なぜにジョン・レジェンド?なんてことは不問に付すことにして、3回目はあえて間をあけて、最高に観たくなった日に臨もうと思っています。

クリミナル 2人の記憶を持つ男





「クリミナル 2人の記憶を持つ男」

ゲイリー・オールドマンのはなるべく観たいんです、大好きだから。
これ、観てよかった。
渋くてちょっと熱いゲイリーを堪能。
いくつになってもかっこいいなあ。
主演はケヴィン・コスナー、人格崩壊の凶悪犯役で脱真面目キャラ作戦第2弾ね?と期待しましたが、やっぱり真面目でした。
そのへんの抜けきれなさがまた面白くて、好きになってしまいそうでした。
最強のワルなのにCIAエージェントの記憶を埋め込まれるので、どんどんいい人&賢くなっていくのです。
荒唐無稽、突っ込みどころ満載なのですが、
敵の立ち位地も作戦も分かりやすくてサクサク楽しめます。
ケヴィンを応援すべく、ゲイリーの他にもトミー・リー・ジョーンズ、ライアン・レイノルズ、マイケル・ピットも馳せ参じていて、キャスト的にも大満足。
この手の陰謀アクションものでは久々のヒットでした。

愚行録



映像化不可能と言われてた原作を先に読んでいたので、映画の仕上がりがとても気になっていました。
結果、原作とは構成をがらりと変えてあり、こういう風に持ってくるんだ、という驚きでむしろ新鮮な印象。
一家惨殺事件の被害者である主婦の通っていた有名私立大学でのスクールカーストは、今でもほんとにこんな?と疑いながらも、俗物的な好奇心を煽られることは間違いありません。
とにかく登場人物全員が、一見普通なのに嫌らしく歪んだ部分を見せてくる。
それがこの物語の面白いところなのですが、じわじわさらりとそこを描き、要所でガツンと軽く衝撃を入れ込んでくるあたりがうまいなと。
光子を演じた満島ひかりさんは私の光子像とは違っていましたが、総合的に今あの役出来るのは彼女くらいしかいないのかも。
相変わらずの気負わない巧さが凄かった。
妻夫木くんもいい感じに暗い。
原作未読の方が、後半、あの場所にあの人物が突如として登場した時にドキッとしたのであれば、この映画は成功だったのではないかと思います。

セル



ついつい観ちゃいますよね、スティーヴン・キングもの。
最近のはいったいどうなってんの?と思いつつも「ミスト」みたいな怪名作に出会えることもあるし。
これもほんとにいつもの展開で、わ~やっぱりね~、って感じなんですけど、なんとも言えない満足感を味わいました。
「1408号室」に続いての、ジョン・キューザック&サミュエル・L・ジャクソンのコンビに加えて「エスター」ことイザベラ・ファーマンちゃん。
3人見てるだけでもワクワク。
携帯利用中に謎の電波で人々が感染、凶暴化して町は潰滅、未感染者のサバイバルが始まる。
ほとんど「ウォーキング・デッド」の世界、既視感は否めませんが、これが書かれたのは今より10年以上前ということなので、やっぱりキング御大はすごい。
パニック時の緊迫感、途中に出現する不思議ピープルのキャラ、ラストのとんでもっぷり、などなど最近のキング映画は違う意味で楽しくなってきてます。

たかが世界の終わり



「mommy」がかなり好きだったのでやはり期待膨らませての鑑賞。
「少し前にどこかにて」からの始まりにも気持ちがざわつく。
自分がもうすぐ死ぬことを家族に告げに帰るルイと、何も知らず12年ぶりに彼を迎える家族たち。
フランス映画界が誇る新旧ミックスのビッグネーム5人が一同に食卓を囲む画はちょっと鳥肌。
とにかく撮影が、この作品はどのシーンも美しいな、と思う。
鳩時計、窓、グラスや光、暗い部屋、空港、何もかも。
人物のアップが多用され、それに応える表情を持っているキャストなので苦しいほどにこちらにアピール。
全員ストレスを抱えてる、かみ合わない家族の会話は不毛で不毛で、早く本題に入らんかい!とやきもきするが、結局そこから動けないルイの弱さが痛々しくて、これがテーマなんだなと理解した。
家族のダークサイドや会話劇は大好物にも関わらず、普遍的な題材ゆえに無理もないんだけど、昨年観た「クーパー家の晩餐会」やおととし観た「8月の家族たち」を彷彿してしまって、特別な刺激を得ることが難しかったのが残念。
マリオン・コティヤールの別の意味での女優っぷりや、大好きなカッセル様のそのまんまの熱演が嬉しかった。

サバイバル・ファミリー




「サバイバル・ファミリー」

2月の2本目はお手軽にこれ。
ここ数本矢口監督は外すことが多かったのですが、サバイバルもの大好き、小日向さんも好き。
首都圏の電気消滅、乾電池やバッテリーも使えない謎の現象。
家族は九州の実家を自転車で目指す。
無謀極まりないし、突っ込みどころも満載だけど、私はとっても面白かったなあ。
この家族のサバイバル前の日常が妙に自然だし、サバイバル中は、次どうなるの?の連続で退屈しませんでした。
出てくる人、みんな面白いし。
宅麻伸のリップクリームとか。
水、食べ物、電気の有り難さ、改めて実感。
自分がそういう大変な目に合ってないから能天気なんですけど、おすすめです。

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ジル

Author:ジル
ジルです。
8年前から続けていた日記を引越し。
2011年からの記事をこちらに
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映画や舞台やドラマを観ることが
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プロフィールの写真は、
大好きなヒッチコックの映画
「フレンジー」のキャラクター、
モニカ女史。
めがねがクールです!