ボンジュール、アン




名作「リトル・ロマンス」から40年、いくつになってもダイアン・レインはクール。
でもって、大好きなライトなロードムービーです。
「運命の女」で再ブレイクしてから、コンスタントに良作に出演してくれていますが、「理想の恋人.com」とか「最後の初恋」とかプライベート感ただよう役柄が特に好きです。
今回のお相手の男性は、一見ときめきとは程遠い普通の中年男性なんだけど、徐々にフランス男の本領発揮、楽しみ方を心得ていて女性を飽きさせない手練手管の持主。
がっつり恋に落ちるわけでもなく、適度な距離感がずっと続くのがこの作品の良いところ。
カンヌ、プロヴァンス、リヨンとパリに向かうまでの風光明媚なロケーションと美味しいごはんとワイン。
女性の心を鷲掴みにする川辺でのいきなりピクニックも盛り込まれ、ゆるやかな時が流れていきます。
多少の間延び感も唐突感もありますが、疲れた心に響く、人生を楽しもうよのメッセージ。
80歳にして監督デビュー、F・F・コッポラの妻エレノアさんの余裕があちこちにちりばめられた作品です。
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おとなの恋の測り方




何も前知識なく観たほうが楽しめるかなと思うのですが、チラシとかでもおわかりの身長差カップルのお話。
舞台はマルセイユ、何もかもがセンスあふれる設い、風景もインテリアもお洋服も。
それだけでも楽しめるのですが、ジャン・デュジャルダン演じるアレクサンドルの魅力が炸裂、完全に虜になってしまいます。
あの笑顔、語り口、立ち居ふるまい、彼だけの持つ色香。
私なら即入籍しますけど、アラフォー女子だといろいろ悩めるよね、ヒロインのディアーヌことヴィルジニー・エフィラも魅力的。
ディアーヌの同僚がアレクサンドルを「かわいい!」と子供のように扱うするのに対して、彼女はアレクサンドルを男として見ているから真剣に悩む、それがわかるからアレクサンドルもディアーヌに愛を捧げるのだと思うのです、リアルです。
実はもっと重いテーマを抱えている作品でもあるのですが、私的にはとにかく本物のパートナーを求めるアレクサンドルの自分を偽らない真摯な姿と、時折見せる切なさに恋してしまいました。
ジャルダンはほんとにええなあ!

6月に観た映画




本当に辛口ばかりで申し訳ないです、個人の感想です。

「ローガン」

X―MENシリーズウォッチャーとしては観ないわけにはいかなかったけど、ほんとはこんなの嫌だ。
ローガンことヒューたまのエイジング、卒業を違和感なくたっぷりの寂寥をもって描いているが、愛するたくさんミュータントたちの扱い、チャールズの末路など私は納得いかないよ。
世代交代、一から仕切り直しなのかもしれないけど、やっぱり納得いかないよ。

「22年目の告白 ―私が殺人犯です」

韓国映画「殺人の告白」のリメイク。
プロットはとても好きで日本版が楽しめたので、後からオリジナルも観て、唸りました。
すげーな韓国。
サスペンス度が、アクションが、キャストの力が違いすぎる。
圧巻の映画力。
刑事役チョン・ジョエンか!って感動したり、は置いといて。
犯人像、ラストの扱いはどっちが好きかは分かれるところだと思います。
私も日本版の構成とオチは悪くないと思います。
意外性があるし、猟奇性際立つし、真犯人の心の闇わかりやすい。
ただ本当にキャストが残念だし、スケール感がまったく。
肝心のカミングアウトも薄くて残念なんだ。
これが日本の映画なんだよ~、と言われればそれまでですが。

「TAP the Last show」

水谷豊監督主演のタップダンス映画。
タップの映画は大好きなグレゴリー・ハインズの一連の作品をイメージしてしまって観るしかないんです。
オーディションの持久戦タップ、ラストの清水夏生さんのタップはワクワクするシークエンス。
とはいえ、映画そのものは1980年代に横行していたチープな邦画の再現、とことん昭和。
ここまでレトロな映画ってある意味、別の次元の力を感じさせてくれます。
水谷豊様ってすごいんだな。

「ジーサンズ はじめての強盗」

マイケル・ケイン84歳、モーガン・フリーマン80歳、アラン・アーキン83歳。
恐るべきオーバー80の演技と存在感。
それを確認できただけでも意味のある作品。
本当にすごい3人、大好きだ。
突っ込みどころありすぎてもはやファンタジーに近いんだけど、そこはもう3人ありきで。
私が一番驚いたのは、アン・マーグレット。
誰?このマダムは。
全然わからなかったけど、エンドクレジットで判明。
お直しがすぎて別人になってしまってたけど、大好きなアン・マーグレット。
ああ、現役なんだ、と嬉しい気持ちに。
「バイ・バイ バーディー」と「TOMMY」をまた観たくなった。

5月に観た映画 ➁




「スプリット」

多重人格モノもマカヴォイくんも大好き、しかもシャマラン監督なので見逃せなかった一本。
23人の人格を持つケヴィン、マカヴォイくんの演じた8人はさすがのなりきりっぷり。
彼ならもっとたくさんの人格やれたと思うので、もうちょい見せてほしかった。
24人目の新人格があんな風で、物語があんなテイストにシフトしていくとは思っていなかったので、これはこのまま終わったらちょっとなあ、と半信半疑で見守っていたが、最後の最後嬉しいショットが。
シャマラン作品の中でも大好きなあの作品に続いていくとは思いもかけないサプライズ。
それにしても長い前ふりだった。
やはり私的に多重人格ドラマの白眉は、ジェームス・三木先生脚本、大竹しのぶ主演の「存在の深き眠り」なんだ、いまだに。

「メッセージ」

宇宙船の造形がとても好きだし、エイミー演じる言語学者ルイーズの設定も切なくて引き込まれたが、独特のおごそかなテンポでちょいちょい寝てしまいそうに。
中盤、時系列が普通じゃないことに気がついてからは、理解したい気持ちが沸いてきて、頑張って集中。
挿入されるルイーズの回想の意味と、「その選択しますか?」という問いかけに泣かされた。
彼女の序盤の佇まいが後から効いてくる。
ヴィルヌーヴらしい静謐な雰囲気と仰々しい音楽は好みだが、ステロタイプの世界情勢とかあのエイリアンのビジュアルは正直残念感があった。
観賞後に友達と伏線収集飲みで、3000年問題についても大いに盛り上がったが、ロジックの部分は完全には消化できないまま。

「マンチェスター・バイ・ザ・シー」

捨て鉢な便利屋リーを演じるケイシー・アフレックのリアリティったら。
ただのダメ男ではない厭世感がすごい。
彼は一体何ゆえこんなになってしまったのか、怖々見進める。
兄の死で戻らなければいけなくなったタイトルでもある故郷の風情がたまらない。
私好みのシャビィなバイ・ザ・シーだ。
それだけでも観た甲斐があった。
明らかになった彼の過去はこれ以上ないほどの悲劇だった。
これはもうどうにもならないなあと思ってしまった。
彼の周りのいろんなことが変わっても、彼が変わることはできない、変わろうとしても無理だ。
私ならきっとそうだし、物語の中の彼もそうだった。
その結果に安堵した。

「ちょっと今から仕事やめてくる」

想像はしてたけど、ストレートでわかりやすくあまりにもベタな人間ドラマ、こんなに思った通りに進んでいく映画久しぶりに観た。
土日しっかり休めるんだから、ブラック企業ではないんだろうけど、ブラック上司に当たってしまった真っ直ぐで曇りのない青年を工藤阿須加くんが好演。
俳優らしからぬ素直な魅力がこの映画の全てかな、福士くん演じる謎の友達でなくても励ましてあげたくなる。
身近な問題で、自分だったり我が子だったりを投影できる映画というのはどんなに突っ込みどころ満載でもやはり心に響くようで、就活中の娘も含め場内すすり泣きの渦。
私もちょっと泣きました。

5月にみた映画①



5月はお休みも多いので快調に観ています。

「無限の住人」

SMAPファンの母に付き合って観ました。
主演の木村さんも霞むほどに有名キャストが出るわ出るわ。
海老蔵さん、市原隼人くん、金髪くの一なのになぜか全く見せ場なしが残念な栗山千明ちゃんなどなど。
戸田恵梨香さまの生足スリットアクションが一番のハイライトだったかな(キレはないけど)。
福士くんの殺陣もなかなか、とはいえやっぱり杉咲花ちゃんの真摯で的確な演技が一番残りました、うまいです。
原作コミックありきなので、荒唐無稽な設定は仕方ないけど、撮影のスケール感なさは相変わらず。

「美女と野獣」

冒頭の村人たちによる王道ミュージカルシーンから心鷲掴まれる!素敵素敵。
理知的なエマ・ワトソンはベルには適役、パパやガストン、ミセス・ポット、ルミエールなど贅沢にして確実なキャスティングに、すんばらしい美術効果とオリジナルに忠実なテンポ良い進行が万人の心に響きますよね、もちろん私もうっとり。
やっぱり主演は大事です。
エマ嬢がこの作品の格を数段上げたことは間違いありません。
これから実写化される「アラジン」もミュージカル版「リトル・マーメイド」も納得行くキャストで!

「カフェ・ソサエティ」

そうか~、ジェシー・アイゼンバーグか!
うまいキャスティング、ちゃんとアレンに見えた。
そしてスティーブ・カレルがいるだけで画面がそこはかとなく愉快です。
クリステンは大好きだし、美貌なので殿方たちが惚れるのも無理はないけど、キュートなお衣裳はしっくり来なかった。
ブレイクは出番少な目でちょっとさみしい。
年月を経て、夢を叶えたり幸せを手にしても、無い物ねだりや過去への未練は残るものです。
なんというか、理屈じゃない部分で。
そこがはっきりと受け取れたので好きなアレン作品となりました。

「帝一の國」

時代は昭和、おそらく40年代、超名門男子校で生徒会長を目指す帝一とその仲間たち。
原作の戦前レトロな世界観は残しつつ、あまりに度がすぎると嫌悪感にも繋がりかねないところを、うまくライトにまとめた印象。
キャストがとても爽やかなので、耽美・BLテイストは控え目。
とはいえ、褌太鼓(白眉!)や切腹、屋上など三島的要素は残してくれていて嬉しい。
逆転のマイムマイムでは場内大爆笑。
コメディに徹した菅田くんはさすがの成りきりっぷり、私は大鷹弾こと竹内涼真くんに釘付けでした、キャラにブレがない。
脱制服宣言など言われてますけど、まだまだいける皆さんだから続編観たい!

4月に観た映画あれこれ




「ムーンライト」
貧困地域に暮らす孤独な少年シャロン、母親の愛を得られない彼が、本当の一人ぼっちではなくてほっとする。
三部構成で時系列が分かりやすく、シャロンの成長の過程は終始はらはらするけれど、目を覆うような悲惨な事が起こるわけではなく、それゆえにリアリティが半端ない。
彼がずっと抱えていた想いや行き着いた先をすっかり受け入れられる自分も、昔とは随分変わったんだな、と再認識。

「ジャッキー ファーストレディ最後の使命」
ナタリー・ポートマンは相変わらず上手いしきれいなんだけど、ジャッキーじゃないんだな。
無理もないけど、ずっと葛藤&悲嘆にくれる心の内ばかりなので、どうしても眠くなってしまった。
入り込めるポイントが見つからなくて残念。

「グレートウォール」
久しぶりの友達との会合鑑賞。
終わった後飲みながらわあわあ話すのにうってつけの珍品。
敵ってそれ?大将自ら働き過ぎ!などなど、突っ込みどころ満載ながら、見たこともないようなアナログにして破天荒な戦闘シーン、新鮮なヒロインや良い加減のマットの頑張りが楽しくて全く退屈しなかった。

「アシュラ」




春の韓国映画祭り、主要三作の中ではこれが一番の手に汗握り度でした。
ほぼ全員地方都市の公務員なのに、ヤクザを越える修羅場の連続。
斧は嫌だ!と目を覆いながらのラスト40分の地獄絵図。
どこまで行くのか、韓国ノワール、です。
4人の主要キャストがそれぞれに素晴らしすぎて、最終的には彼らに夢中、ストーリーそっちのけでときめいてました。
揃ったよねえ、見事に。
ウソンさんはどんな時でもかっこ良くて、核となる大物感がさすが。
もっと顔とかグズグズになってくれれば一段と好きになったのに。
ドウォンさんは、私の一番好きな冷酷慇懃な彼、期待通りの終末。
ジフンくんはとにかく美しくて、アルマーニがお似合い過ぎてため息。
そしてやっぱりジョンミン兄貴です、何と言っても。
最強の人でなしキャラと、それを完膚無きまでに演じきる兄貴にくぎ付けでした。
「浮気な家族」から始まって、この間の「コクソン」といい、一生ついて行こうと感慨を新たにしました。
見逃してるのもいっぱいあるので、近々ひとりジョンミンフェス開催予定です。

哭声 コクソン





私が一番韓国映画を観ていた頃のベストタイトル、「殺人の追憶」を思い出させるようなイントロダクションから、ソン・ガンホを越えるクァク・ドウォンの市井の趣き、勝手にローカル猟奇殺人の展開を思い描いていたら、物語はどんどん予期せぬ方向へ。
圧倒的な土着感、リアルな血の匂い、次から次へと現れる怪しい輩。
キャストが全員素晴らしくて、画も凄まじく、まったく退屈せず観ていられたのだけれど、オカルト系で間違いないんだな、と確信してからは少しずつ気持ちが離れていった。
とはいえ、ファン・ジョンミンの祈祷と嘔吐シーンを見られただけでも価値があったんだ。
残念だったのは、いろんな関係性がすっかり紐解かれるとか、あるいは絶望でもいいんだけど、大きなカタルシスを得られなかったこと。
あんなにやってくれた國村さんが、私にはまったく怖くなかったのは、「キル・ビル」の生首のほうがインパクトあって、ドラマ「沈まぬ太陽」の社長役のほうが本物の人でなしだったからだと思う。

パッセンジャー




好きなジェニファー・ローレンスでSFだし、泣けるエンターテイメントなんだろうなあ、と気軽に観ました。確かに気軽に観ていいカテゴリーなんだけど、怖い怖い。ないない。
誰かと、あなたならどうする?って語りたいけど、どうしてもばれてしまうから、これから観る予定のある方は、ぜひ観賞後お話しさせてください。
ばれてますけど、感想、下に。

素晴らしきかな、人生




「素晴らしきかな、人生」

ワーキング・タイトル風のこのポスターに騙された~。
万人がちょっとビターな気持ちになるんだけど、そこはかとなく癒され、結果ハッピーを抱えられる例のテイストかと思ったら、あーそう来るか。
微塵も関わりない世界に生きてたら辛気くさいけどね、少しでもウィル・スミスの心情に寄り添えるなら、そりゃそうなるよねと納得いくのです。
私とてそうなります、
だがしかし、ラストのサプライズは、私は想像だにしませんでした。
クリスマス前の冬のニューヨーク、エドワード・ノートン、ヘレン・ミレン、見所はいっぱいです。
なんで、この時期の公開?そしてこのタイトル?
幾度となく呟いたこのひとり言、これ観た後にもまた呟いた。
いろいろあるんだろうけど。

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ジル

Author:ジル
ジルです。
8年前から続けていた日記を引越し。
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大好きなヒッチコックの映画
「フレンジー」のキャラクター、
モニカ女史。
めがねがクールです!